アリスの同類

図書室からはじまる、冒険。 学校司書の備忘録です。

新年度ー入学式



大きな学校の入学式。150人の小学一年生。
キラキラネームを通り越して難解ネームが並んでいます。
 

1、2年生の図書室オリエンテーションは新しい事に挑戦です。レオ=レオニのフレデリックのパペットと一緒に、学校図書館の使い方を話すのですwww
柄にもなく。可愛い系。
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フレデリックの声、話し方、キャラクター。

どう表現しようかと考えるのは楽しいものです。

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 フレデリックの手に指を入れられるようになっています。
手が動くだけで、表情豊かになります。

 


昨年1か月がかりで行った事務処理を、今年は3日でなんとかしなくてはなりません😱

図書館用ソフトの進級処理や新入生の登録は2校合わせて1000人超えです。
登録や学級一括変更だけでも大変な数です。

ところがそこに、転入転出、名前の変更が入ってきます。
詳細は司書には知らされませんので、自分で見つけて確認をし、変更していかなくてはなりません。
非効率極まりないのですが、個人情報ですので慎重にならざるをえないのでしょう。

人数が多いために出席番号とPCソフト上の出席番号を合わせ、児童用バーコードを1人分ずつ切り、クラス毎に大きな画用紙に貼り直して、クラス貸し出しで混乱しないよう準備が必要です。
貸出返却の際、人数が多いため時間短縮の工夫がいります。

図書カードを保管するにも場所がありませんし、バーコードの名簿では間隔が狭く、図書委員が貸出作業で個人のバーコードを間違って読み取ることが増えてしまいます。

名前ではなく出席番号でバーコードを特定し、バーコードの間隔を離しておいて読み取りやすくするには、バーコードのクラス単位での大きなシート作成は不可欠というわけです。

年に一度とはいえ、この作業を完成させるまでには恐ろしく時間と手間がかかります。
これを短時間で済ませようとすれば、こちらが無理をするしかありません。
これを2校兼務で行っているのです。

 

既に入学式の昨日も、2クラスのオリエンテーションが入ってきました。
これも諸事情で突然の飛び込みです。
春休み中にオリエンテーションの準備をしておいてよかったと心底思いました。
 

2年前に作ったカードゲームを、ようやく試すチャンス。

5年生1クラス40人が狭い図書室に隠したカードを探しますのでてんやわんやですが、とても楽しかったようです。
本の背ラベルの読み取りはカードゲームなら容易くできるのに、本の探索や返却にそれが活かされないのが残念ですが、子どもたちが背ラベルで本の在りかを探せることは十分にわかりました。

3年生には昨年度の貸し出し時の問題点を思い出してもらいました。
貸し出しルール、図書室にどんな本がどのように分類され書架に納められているのか、書架表示の見方など、現実的な話を。
本の紹介や読み語りは追々時間をかけて行いますので、欲張らず、1度のオリエンテーションで全部を伝えようとはしません。
この辺りが以前とは変わった点かもしれません。

新学期は新6年生がお掃除にやって来ます。
これも楽しみです。
埃っぽく、すぐにどんよりした本の山ができる図書室を、お掃除当番さん達と1年かけてどう綺麗にするかを一緒に考えるところから始めます。

昨年からカウンターの上にぶら下がった大きな図書室内の地図(書架は私が来て移動して変更、表面にはカビ)を子どもたちは気にしていて、今年度はこれを作り直そうと思っています。
先生方にお願いして、まずこの大きな地図の看板を下ろさなくてはなりません。
 
ベースの板のお掃除を、子どもたちにも頼みましょう。

怒涛の新学期を今年も乗り切って、春の読書週間を迎えたいものです。 

送別会

今日は小学校の送別会でした。

毎年送ったり送られたり、繰り返される歓送迎会。

小学校と中学校それぞれ、更に高校は又随分雰囲気が違います。

どの学校でも思うのは、やはり子供に関わる仕事は辛いことも多いけれど幸せだということです。

 先生方には同志的な横の繋がりが強固にありますが、司書は1人です。
仕事の上では全く繋がりはありませんが、しがらみもありません。 

学校の中で教室が居心地の良い場所でない生徒。
どうしても友達と上手く付き合えない子。
カウンセリングルームでさえ嫌だと言う子。
そして、誰にも言えない愚痴をぽっちり話したくて来る先生。

誰とも関わりのない立場だからこそ、いいこともあるらしく。
その場に本があるから話せることだってある。

 家に帰って、NHKで『ドキュメント72hours 』を観ました。
 http://www4.nhk.or.jp/72hours/5/

「島へ 山へ 走る図書館」

およそ2800冊の本を積んで松山市内を走るトラック。40年以上の歴史がある「移動図書館」だ。過疎が進む山間部から、フェリーに乗って島へと渡り、人々に本を届ける。全国的には少なくなった移動図書館だが、なぜか松山では利用者が増えている。定年後、趣味を見つけようと通い始めた夫婦。「いつまでも学びたい」とやってくるお年寄り。どんな人が、どんな本を借りていくのか。移動図書館に密着し、本をめぐるドラマを探る。


このドキュメンタリーは感動的でした。
本を読むことで小さな町の様々人が新たに学び、未来を夢見て、そして繋がっていきます。
1人仕事でも、私には本がある。 
司書でいること、本に、子供に関わることは、
とても素敵なことかもしれません。 

年度末です

年度末です。

卒業式に合わせ、卒業生1人ひとりに、栞を作りました。
卒業生のための栞には毎年 メッセージ性のある言葉を添えます。
もう一校では、秋の読書週間で先生方に書いて頂いていたおススメ本の紹介に書かれたメッセージをカードにして贈りました。
数の多さに挫けそうになりますが、子ども達が進学した先、生活はすっかり変わってしまう、それを思うと、ささやかなながらエールを送りたくなるのです。
小学校卒業は、ある意味子ども時代の終わりです。

成績、スポーツは全て競争世界でのこと。
彼らは自分達の中の葛藤だけでなく、周りからの評価の中で生きていかなくてはなりません。
 幸せだった(と思いたい)彼らの子ども時代の思い出は、多い方がいい。
いつか大人になった時、支えになるように。
 
今年度は小学校2校共、みんな良く読みました。特に多く読んだ子達の表彰状、目標冊数に到達した子達のメダル、200人分はゆうに超えてしまったので週末は持ち帰って作業です。

数字も大切ですが、読書は量より質。
但し小学校では量も大切だと思っています。
 
私は教員免許は英語で取っているのですが、昔、1つの方法として英字新聞を斜めに読んで大意を掴む訓練(?)を通じて英語を学びました。この経験は子どもと読書の関係を考える時にとても役に立っています。
 
全てを一度に理解できなくても大意をつかむコツは、読む量を増やさなければ掴めません。
とはいえ、1年間毎週司書がいる日に図書室に来館していたクラスは、良質な本を見事に選んで読むようになりました。借りた本をじっくり読んでいるのも特徴的です。
 
このクラス、賞状もメダルも1人も貰えませんが、私の中では1番褒めてあげたい。
 
あれこれとジレンマをかかえながら、せっせとご褒美を作っているのです。


 

パッとしない子 辻村深月

『パッとしない子』
辻村深月/著

パッとしない子 (Kindle Single)
辻村 深月
Amazon Publishing
2017-07-14


アマゾンprimeはまた新しいサービスを始めました。ビデオもミュージックもとてもありがたいのですが、ついにkindle版の本も一部読み放題になったのです。
早速読んだのがこれでした。

小学校に、トップアイドルになった卒業生が番組の収録でやって来ます。
アイドルとなった彼は、弟の担任だった女性教師に話したいことがある、と言うのですが‥。
悪気のなさが産む罪。
どこにでもありがちな話で、しかも怖い。
この『悪気わるぎ』か『悪意あくい』か、というギリギリを描くのがこの作家は得意なのだろうかと思うのですが、勢いで読んだ『サクラ咲く』はジュブナイル小説として素晴らしい連作短編集でした。

日の名残り

日の名残り (ハヤカワepi文庫)
カズオ イシグロ
早川書房
2001-05-01



『日の名残り』
カズオ・イシグロ/著

『一日目ー夜』から抜粋。
ーーーーーーーーーーー
『品格の有無を決定するものは、みずからの職業的あり方を貫き、それに堪える能力だと言えるのではありますまいか。並の執事は、ほんの少し挑発されただけで職業的あり方を投げ捨て、個人的なあり方に逃げ込みます。そのような人にとって、執事であることはパントマイムを演じているのと変わりません。ちょっと動揺する。ちょっとつまずく。すると、たちまちうわべがはがれ落ち、中の演技者がむき出しになるのです。』

抜粋部分のように主人公スティーブンスは生真面目で理想と誇りを持って執事という職業を全うしてきました。
彼の旅と過去の来し方が交差しながら、時間さえ自在に行き来して話は進みます。
この小説の中に幾度も出てくる『アメリカ流ジョーク』に対するスティーブンスの戸惑い。

どなたか、この執事の生き方は殿様に仕える日本のサムライのようだと評しておられましたが、それこそ何かの冗談かと思いました。
日本における家老でさえ、イシグロが描くイギリス流執事とは別物です。
サムライと執事の役割もあり方の本質も全く別物であるように、ユーモアの質でさえ全く違うように私には感じられて仕方ありません。

暖かさもユーモアも、哀しみを包み込んで読みながら笑みを浮かべてしまう、翻訳も美しい一冊です。

 『カズオ・イシグロの愛国心』
昨年7月、イギリスのEU離脱を決する国民投票の結果を受けて、カズオ・イシグロがFINANCIAL TIMESに寄稿しています。
ノーベル文学賞の受賞理由と彼のこの寄稿を読み合わせると、彼の複雑な内面の一端に触れることができるような気がします。
自身がどのように英国を愛しているかが切々と書かれています。
EU離脱の結果を受けてもなお、イギリス国民を信じたいと。
内容は政治的意見ですが、自身の生い立ちにも触れています。
それ故に説得力ある言葉になっているのだと感じます。
彼の作品に見える多面性が生い立ちに深く関わることを知る手がかりとしてリンクを残しておきます。
彼が日本に生まれ、日本に対して特別な感情、愛情を持ちながら英国籍を取得した経緯には、
紛れも無い英国への愛国心が、それも移民の1人としての愛国心があったのではと、胸を打たれます。
5歳で英国に渡ってからこれまで生きてきた中で、カズオ・イシグロが見てきた英国は、
ヨーロッパの中でも特別、公平で公正な国だったと。

才輝礼賛

『ユーミン』
ーーーーーーーーーー
『”長生きのマイケル・ジャクソン”をやりたいと思いますね。』

『ポップスやってる身として、メジャーとカルトを両立させてないとカッコ悪いと思っているの。』

『なんか私の子供の時から思春期ぐらいまでの日本のものも、ビックリするようなものが多かったです。
「イヨマンテの夜」だのロス・インディオスだのルンバの女王だの、万国ビックリショーみたいだったなと思って。』

『才輝礼讃』
松任谷由実

林真理子は何度となく、ユーミンへの敗北感を、その言葉にならない『格の違い』のようなものをエッセイに書き続けてきました。

ユーミンには昔の女優さんが持っていたような何がしかの風格や度量、努力して身につける類のものではない何かがあると、38人との対談の中でも感じるのです。
対談のメンバーにも、もう天国にお住まいの方もいらして、貴重です。

 

空想非科学大全

『空想非科学大全』
柳田理科雄/著

目次ですでに色々な想像が駆け巡ります。

法則1  ヒーローは、たった3分間で
地球の平和を守らねばならない!

法則2  正義の組織の基地は、絶対に秘密でなければならない!

科学的に大真面目にヒーローのツッコミどころを語ります。

ーーーーーーーーーーーーー
『だが、ちょっと待て。わずか3分の活動時間で、この広い地球を守る。本当にそんなことが可能なのだろうか?』

『各種の怪獣図鑑によれば、ウルトラマンはマッハ5で空を飛び、時速450㎞で走る。また、200ノットで泳ぐこともできるという。』
ーーーーーーーーーーーーー

まじウルトラマンすごい、と思いますよね。

柳田さんはそこで計算するんです。
ウルトラマンが空をマッハ5で飛んだとすると時速6120㎞。
東京を出発して西に向かった場合、この速度で3分間。どこまで行けるかって、名古屋なんだそうな。
行ってる間に地球は宇宙人に支配されてしまう😱
で、親兄弟を呼び始める。
因みに1番早く空を飛べるのはセブン。
日本周辺にウルトラ兄弟を配置して効率的に宇宙怪獣から守る布陣も載っているのは実用化が待たれるところですね。

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デルファイの神託


ギリシアの古都デルファイは、神のお告げを聞く神聖な場所だったそうです。写真は第5巻掲載の円形劇場。

世界仰天ミステリー シリーズ全5巻が借りられる様子がないので表に出しておきました。
この手の本が子どもにとって、いかに楽しい読み物であることか😊

今朝見ると一冊借りられています。

たかしよいち氏の『まんが世界のふしぎ物語』が個人的には好きなのですが、古いのと漫画ということで避けざるをえませんでした。

さて、写真の『世界仰天ミステリー  古代文明の神秘にせまる』の『デルファイの神託』の項を読みながら、私はアガサ・クリスティのパーカーパインの一編を思い出したのです。

ーーーーーーーーーー
『デルファイの遺跡は、アポロン神殿を中心とする神の領域と、人びとのくらす都市部からなっていた。』
古舘明廣/著
『古代文明の神秘にせまる』より
ーーーーーーーーーー
この文章と、クリスティの出だしを比べてみましょう。
ーーーーーーーーーー
『ウィーラード・J・ピーターズ夫人は、じつのところギリシャなどに関心はないのであった。
またデルファイの古都についても、内心、いうべき言葉も見つからなかった。』
アガサ・クリスティ/著
『パーカー・パイン登場』より
ーーーーーーーーーー

クリスティの筆致の軽妙なことと言ったら。
ゾクゾクするほどです。

18歳の青年の誘拐事件が起き、旅行中のパーカー・パイン氏が巻き込まれるお話。何と言っても最後のオチが効いてます。
幾度となく読み返していますが飽くことがありません。

先に『世界の不思議』に仰天しておいて、それから色々なミステリ本に入っていくと楽しさも100倍かと思うのですが。
翻訳ものが苦手な世代には、特にしっかり『仰天』しておいて欲しいと思います。


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文豪萌え

『文豪ストレイドッグス』から国語便覧。
使えます。


 

『文豪ストレイドッグス』は朝霧カフカの漫画ですが、アニメ化され、書籍化され、映画にもなる『文スト』として人気のコンテンツ。

早速ノベライズを数冊と、文ストの『国語便覧』、その他関連書籍を入れています。
この『国語便覧』は日本の近代文学を作家と共に知るためには格好の一冊。
こちらが狙った通りの内容で、大真面目に作ってあります。
『文豪萌え』は多分ですが、現在腐女子と呼ばれる層でウケがちな一連の漫画の流れです。
が、完璧に漫画のままの『文学男子』にしろこの『文スト』にしろ、まず作家の名前や代表作を知るための入り口としては切り口が面白いのです。
イケメン集団を描けばそれだけで人気が出ると思いきや、それだけではないようす。
教科書で教わった文豪達がキャラになることでグッと身近さを増し、しかも何かしら知的でちょっとBLであるという、そこに大きな魅力があるようです。

各学年に1人か2人ほど、本の良しを見分ける嗅覚の優れた生徒がいます。彼らには時々ブレイクしそうな本を見せてみて、飛びつけばO K。
女子に協力を仰ぐとあっという間に男子校のようだった図書室に女子が増えました。

生徒と侮るなかれ。『文豪萌え』と侮るなかれ。

今日も道徳で使われたばかりの樋口一葉の『たけくらべ』を、この『国語便覧』も使って掲示できます。
参考文献や写真資料、話の要約の仕方などもきっちりクリア。
太宰治のノートメモの写真なんて、初めて見る資料です。


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民話の世界 松谷みよ子

『民話の世界』
(松谷みよ子/講談社現代新書)

松谷みよ子氏の民話との出会いと、そこから重ねてきた思いが波のようにおしては引きおしては引きします。

どのページにも抜き書きしたい文があるので、とてもここには書き残せないのが残念です。

あの本もこの本も、作品になるきっかけがあり。
各地に残る伝承話、昔話を採訪し、再話してきた過程には、戦争や差別、環境破壊への怒りの感情も含まれます。
昔話には、民衆の(告発‥と言ってしまって良いものかわかりませんが)視点があることを松谷さんは明らかにしていきます。

お爺さんお婆さんが語る昔話には、生活者の視点が残されています。
そこに感動を覚える松谷さんの『心の動き』を、私たちは再話として楽しませてもらって来たのでした。

特に桃太郎と金太郎の話には、ゾッとしないものがあります。
政治利用されてきた昔話。
出版事情で捻じ曲げられてきた昔話。

 それに抵抗する作家達がいたからこそ、昔話が本流に戻ってきたと。

たまたま司書仲間の一人から頂いた『おかやま桃太郎ものがたり  吉備津彦と温羅』を一緒に読んでいました。
とかくパロディに傾きがちな昨今。
源流を遡る大切さを痛感します。

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再話 『マウイの物語』


『マウイたいようをつかまえる』

ニュージーランドをはじめとするポリネシア神話を、ニュージーランドのアーティスト、ピーター・ゴセージが絵本にしています。
ディズニー映画のモチーフになったマウイの神さまのお話です。
さそり座の神話とはまた少し違っていて、ダイナミックです。

日本ではこの「たいようをつかまえる」しか翻訳絵本にはなっていないようです。ピーター・ゴセージのNZ神話の絵本を原書で見せてもらったのですが、その力強さ、美しさ、話の面白さに引き込まれました。
マオリ語が多く混ざっていることもあって、一度読んだだけの私のつたない記憶では、うまく再話できなかったのですが、youtubeに助けられました。
youtubeには「マウイ太陽をつかまえる」、「マウイと魚」、「マウイ母を見つける」などが上がっています。

一冊だけ翻訳されている『マウイたいようをつかまえる』を読む前に、マウイ誕生のお話を、子ども達に口伝えで聞かせてあげようと思っています。

『How Maui found his Mother and Father』

あやふやな再話

YouTubeのピーター・ゴセージの絵本の読み語りを再話してみました。
間違いもある筈ですので、自分用の備忘録として。 



太陽から放射される光を「マウイの綱」と言うそうです。
これは、その元となったお話です。
 
むかしむかし、女神が、男の子を産みました。
女神は自分の髪の毛を切って、産まれたばかりの赤ちゃんを髪の毛でくるんで、海の神さまに捧げるために海に投げました。

波が打ち付け、冷たい風が吹きました。でも赤ちゃんはしっかりとお母さんの髪の毛に守られて生きていました。
女神の赤ん坊は死なずに、ぐうぜんにも本当の叔父さんに海岸で拾われ、マウイと名付けられました。
マウイは叔父さんの手で、叔父さんの子どもたちと一緒に、息子として育てられました。

叔父さんはマウイに、世の中の色々なことを教えました。
そして声で自然や動物たち、とりわけ鳥を操ることができるように教え込んだのです。
マウイはすぐに上手になりました。

マウイは大きくなるにつれ、自分の本当のお母さんと会ってみたいと思うようになりました。
お母さんのいるところを叔父さんに聞いたマウイは、お母さんをさがすために、旅に出ることにしました。

マウイのお母さんは女神さまでしたので、とても遠いところに住んでいました。
マウイは長いこと歩いて、ようやくお母さんに会うことができました。

お母さんはマウイをよろこんでむかえてくれました。
お母さんのところには、他に4人の兄弟たちもいました。

でも、毎日お昼になるといなくなってしまうのです。

マウイはお母さんがどこに行くのか知りたくなりました。
そして、自分のお父さんのことも知りたくなりました。

マウイのお母さんは、毎日地下に続く深い穴に入っていきます。
ある日お母さんのあとを追って穴に入ったマウイは、そこで地下に広がる綺麗な海辺を見つけます。

お母さんはそこで、立派な男の人と一緒にいたのでした。
その男の人が、マウイのお父さんだったのです。

マウイはお父さんに「ぼくはあなたの子どもです」と名乗ります。
お父さんは、とても大きな力を持った神さまでした。
マウイはお父さんに、「ぼくにも強い力をください」と頼みます。
お父さんはマウイに「死なない力」と、「聖なるパワー」を授けます。

でも、お父さんはマウイにそれを授ける時、ほんのちょっとした失敗をします。
あとでそのちょっとした失敗のおかげで、マウイは困ることになるのです。

さて、地下世界の楽園には、マウイのお父さんのお父さん、つまりお爺さんも住んでいることがわかりました。
マウイはお爺さんにも会いに行きました。
おじいさんは「地上の美味しいものが食べたい」とマウイに言うのです。
そこでマウイは毎日おじいさんに、地上の世界から美味しい食べ物を運んであげることにしました。

ある日おじいさんは、マウイの目の前で、「魔法の釣り針」を口の中から出して見せます。
マウイはその「魔法の釣り針」がほしくてたまらなくなりました。

次の日から、マウイはおじいさんに食べ物を持って行かないようにしました。
おじいさんが「地上の美味しい食べ物をくれ」と頼むと、マウイは
「ではその代わりにおじいさんの『魔法の釣り針』をください」と言ったのです。

おじいさんはマウイに「魔法の釣り針」をあげることにしました。
その釣り針は、おじいさんの顎の骨でできていました。

爺様はこの武器を使うにあたり、マウイに3つ、注意をします。

“You will never tame the Sun!”  
太陽を思いのままにしちゃいけないよ
“You will never find the Secret of Fire!”  
火の秘密を見つけちゃいけないよ
“You will never even defy Death!'”    
死の神さまに逆らっちゃいけないよ

これがこれからのマウイの冒険の伏線になっています。

マウイは魔法の釣り針で何をしたでしょう?

まず兄弟と一緒に太陽をつかまえます。
それからニュージーランドの北の島を釣り上げます。
火が消えて困っている人々のために、火が生まれる山から火の元を盗んできます。
そしてついに、おじさんが死にそうになったことに心を痛め、「死の女神」のもとへ行くのです。

さあ、「死の女神を退治に」行ったマウイはどうなるのか?

これが驚いたことに、「2001年宇宙の旅」を思い出させる不思議な世界になるのです。
この主人公、冒険編では原文で名前の後に「trickster」とカッコ書きで書かれているくらいなので
要するに元は「うつけもの」。
その彼が、最後に癒しの女神の手に抱かれ、もう一度生まれ変わろうとするさまは圧巻です。
宇宙そのものと言っても良いかもしれません。

ブックトークのつなぎに

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『ブックトークつなぎ』

ブックトークで紹介する本の間に、ちょっとしたつなぎを入れておきます。今日の1、2年生は『おてがみ』をテーマにしたので、色々なてがみの形を実際に見せることにしました。
イチヂクの葉っぱを手紙にした絵本の前には、画用紙で作った葉っぱの形の手紙を封筒から取り出します。
この封筒は折り紙で簡単に折ることができるので、昼休みに希望する子供たちと一緒に折ります。
叔母からもらった絵葉書。
葉書と切手の絵柄を合わせて送ってくれる人がいるというので、そんな話も織り交ぜながら。
何故かいつも時間通りに終わるのが不思議です。

食べ物絵本

『やさい』
平山和子/福音館書店
『サンドイッチ』
小西英子/福音館書店

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『カレーライス』
小西英子/福音館

おなかがなりそうです😊
小学生には調理手順を知るにも丁度良いくらい。

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『きょうのごはん』
加藤休ミ/作

リアルなごはんの絵に、給食も何処へ行ったやら、お腹が減りそうです。
猫がご近所のごはん案内役としてどのページにも隠れているのがミソ。

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中学生向け食べ物特集


中学校の特集コーナーに食べ物がモチーフの作品を集めてみました。
『恋ってどんな味がするの?』は近代文学の作品集です。
ワナもしかけておくのです。『異世界居酒屋のぶ🏮』は、中世の騎士の時代と現代の居酒屋が時空の歪みで繋がってしまうというライトノベル。中世の騎士が普通に居酒屋で愚痴ったりするのが新鮮です。

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超訳 故事成語

『超訳 故事成語』
超訳「故事成語」事典 (PHP文庫)
造事務所
PHP研究所
2012-09-05



この『超訳 故事成語』は故事成語を現代風に一言でズバッと訳し、その上で言葉の元になった出来事などの解説が載っているので読んでも面白い事典です。

『白眉』なら『いちばんスゴイやつ』とか。
なんだか少年ジャンプですね。

 掲示物にしてみました。

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奇想と微笑




『太宰治 傑作選    奇想と微笑』
森見登美彦/光文社文庫

太宰の作品から『ヘンテコで愉快な』短編を森見登美彦がチョイス。

先日、太宰の『女生徒』を全部読んでしまった中3女子が、『すごいよね、ほんとに女の人が書いてるみたい』と言いました。
『女生徒』についてはファンレターの件があるので全てが太宰の作品とは言えないのでしょうけれど。
ここに並んだ傑作短編を読むと、やはり太宰は文学で女形を演じることのできた作家だったと思います。
三島由紀夫の文体は最高に美しいと私は思うのですが、太宰の場合、リズミカルな文体のみならず、ユーモアとサービス精神がこれ程人を惹きつけるのかもしれません。
知らない短編も、大好きな短編も入っていますが、
太宰を散々読んできた人にとっては、読みどころの半分以上は森見の編集後記にあると思います。

配達あかずきん




こちらは東京創元社から出版されています。

私が読んだのはこちら。


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『配達あかずきん』
大崎梢/創元推理文庫

これは最近よく見る、本屋や図書館で起こる物語のひとつですが、手に取ったのは、『創元推理文庫』にたまらない懐かしさを感じたからです。
ミステリで創元社かハヤカワかと言えば、私はどちらかと言えば創元社文庫が好きだったのです。
本屋さんの話で推理?と思ったのですが、実に楽しく読めました。
ミステリの範疇を超えたり超えなかったり。
本好きにはたまらない。

シリーズ化されていますので、是非生徒にも読んでもらいたい本です。

 ちなみに私が愛して止まなかったのは『東京創元社』。

Wikiによると。
 創元社(そうげんしゃ)は、日本出版社大阪市に本社を置き、主に心理学歴史学書籍を出版している。

 

 海外推理小説SF小説の出版などで知られる東京創元社は、1954年にのれん分けで独立し別会社となったもの。

チョコレートの箱

『チョコレートの箱』

写真のチョコレートの箱を見た途端、何故かポワロの顔が浮かびました。

デイヴィッド・スーシェ版『名探偵ポワロ』の『チョコレートの箱』。
ポワロの故郷、ベルギーはブリュッセルを舞台に、ポワロが20年ぶりに訪れた故郷で警察官時代に出会った事件の真相を種明かしするというお話。
ポワロがいつも胸につけているお花のピンの謎も同時に解けるという、いつもとは違った趣向。
ポワロの秘めた恋も描かれていて切ないのです。

ポワロの国のチョコレートは華やかで甘そうでしたが、ロイズのチョコレートもビターで素晴らしく美味でした🍫

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漫画の時間


昨年までいた中学校でのこと。
 

昼休み、中1男子が二類、地理・歴史の書架前で輪になって文庫を見ていました。
二類は男子が大好きな分類ですが、文庫本で輪になる程のものはない筈。
私が後ろから覗いても気がつかないほど、皆夢中になって本を見ています。
 思った通り、そこにはとんでもない挿絵があったわけですが、彼等のお望みの場面を見つける能力に私は舌を巻いたのでした。
『漫画の時間』は七類芸術の書架から見つけてきたようです。偉いなあ。

いしかわじゅんの漫画の書評は的確で素晴らしく、午後から職員室でゆっくり楽しませて貰いました。
『文字ならまだいいけど、視覚的にはこれアウトだよね』という国語の先生のご意見はごもっとも。
除籍と相成りました。

 
それにしても、梶原一騎原作の『巨人の星』と『あしたのジョー』。
前者がパロディ化され、未だ笑いを誘う作品となった一方、後者が伝説的名作であり続ける理由を、劇画家のスタンスの違いにあると喝破するいしかわ氏の筆致は優しく、同業者であり読者でもある視点からわかりやすいものになっています。
マガジンもマーガレットも大好きだった私には懐かしい漫画家ばかり。
出版から20数年経ってもいますので、後ろ髪ひかれながらも。
さようなら、漫画の時間❗️

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Red あかくてあおいクレヨンのはなし

『R e d』

「L G B T」に関連する本を入れておいた方が良いという話を聞いて探してみました。数冊入れたのですが、ミネソタ州、ミネアポリス在住の作家が描いたこの絵本は、テーマに関係なく素晴らしかった。
 

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