やんちゃ揃いの1年生。
毎週読み語りをお願いします、と疲れた顔の先生が連れて来る。
今時30人越えの1年生を1人の先生が見るのは大変なことだろう。
先々週は短くてインパクトのある絵本を楽しんだ。
先週は少し説教臭がしたのか、注意散漫の男児が数名。
このクラスは皆好き勝手に喋り出すので、選書の成功失敗が一目瞭然。
はて今日は。
準備していた『川端誠』 の『お化けの冬ごもり』を見ながら、『かがみの孤城』を思った。
長い昔話を黙って聞けるクラスにはまだ程遠いけど、今日は『赤ずきん』 を読んでみよう。
私が絵本の読み語りの練習をするのは英語の原書だけ。
基本『声に出して読む』 練習はしない。
図太いので全く初見の本を平気で読む。
今日の『赤ずきん』はポール・ガルドン。
ガルドンを、私は信頼している。
果たして勝手気ままな1年生は、水を打ったような静けさで『赤ずきん』を聞いた。
オオカミのあっけない最期には『ええ?』と声が漏れた。
怖かったらしい。
さすがガルドン。長すぎも短すぎもせず、
実に良い加減に、残酷とも言える昔話を描いた。
長く読み継がれる本と、長く読まれ続ける作家が描く物語には力がある。
読み手の上手下手なんか、作家の魂の前では、ついでみたいなもんなんじゃないのか?