あかずきんちゃん―グリム童話より
ヤーコプ・ルートビッヒ・グリム
ほるぷ出版
1976-09-01


やんちゃ揃いの1年生。
毎週読み語りをお願いします、と疲れた顔の先生が連れて来る。

今時30人越えの1年生を1人の先生が見るのは大変なことだろう。

先々週は短くてインパクトのある絵本を楽しんだ。 
先週は少し説教臭がしたのか、注意散漫の男児が数名。

このクラスは皆好き勝手に喋り出すので、選書の成功失敗が一目瞭然。

はて今日は。

準備していた『川端誠』 の『お化けの冬ごもり』を見ながら、『かがみの孤城』を思った。

長い昔話を黙って聞けるクラスにはまだ程遠いけど、今日は『赤ずきん』 を読んでみよう。

 私が絵本の読み語りの練習をするのは英語の原書だけ。

基本『声に出して読む』 練習はしない。

図太いので全く初見の本を平気で読む。

今日の『赤ずきん』はポール・ガルドン。
ガルドンを、私は信頼している。

果たして勝手気ままな1年生は、水を打ったような静けさで『赤ずきん』を聞いた。
オオカミのあっけない最期には『ええ?』と声が漏れた。

怖かったらしい。

さすがガルドン。長すぎも短すぎもせず、
実に良い加減に、残酷とも言える昔話を描いた。

長く読み継がれる本と、長く読まれ続ける作家が描く物語には力がある。

読み手の上手下手なんか、作家の魂の前では、ついでみたいなもんなんじゃないのか?