昨年までいた中学校でのこと。
 

昼休み、中1男子が二類、地理・歴史の書架前で輪になって文庫を見ていました。
二類は男子が大好きな分類ですが、文庫本で輪になる程のものはない筈。
私が後ろから覗いても気がつかないほど、皆夢中になって本を見ています。
 思った通り、そこにはとんでもない挿絵があったわけですが、彼等のお望みの場面を見つける能力に私は舌を巻いたのでした。
『漫画の時間』は七類芸術の書架から見つけてきたようです。偉いなあ。

いしかわじゅんの漫画の書評は的確で素晴らしく、午後から職員室でゆっくり楽しませて貰いました。
『文字ならまだいいけど、視覚的にはこれアウトだよね』という国語の先生のご意見はごもっとも。
除籍と相成りました。

 
それにしても、梶原一騎原作の『巨人の星』と『あしたのジョー』。
前者がパロディ化され、未だ笑いを誘う作品となった一方、後者が伝説的名作であり続ける理由を、劇画家のスタンスの違いにあると喝破するいしかわ氏の筆致は優しく、同業者であり読者でもある視点からわかりやすいものになっています。
マガジンもマーガレットも大好きだった私には懐かしい漫画家ばかり。
出版から20数年経ってもいますので、後ろ髪ひかれながらも。
さようなら、漫画の時間❗️

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