アリスの同類

図書室からはじまる、冒険

今日の読みかたり

『落語・口上・決めぜりふ』とやなせたかしさん










3時間目はやなせたかしさんの本と詩の紹介。

たまたまゲストでいらした先生が、平和集会でやなせたかしと弟の話をしたくて資料を探していらしたそうで、その場で2冊借りて帰られました。
 
5時間目はことわざ絵本と『ガマの油売りの口上』を読んでみました。

こちらは担任の先生が寅さん好きで、図書の時間の後は大盛り上がり。
 
初見で『ガマの油売り』が何故できるのかと言えば、子供の頃、寅さん映画を散々観たおかげかと思います。
 
こちらに悪気はないのですが。
 
本の力、言葉の力を恐ろしいと思うのはこんな時。
 
子ども達は兎も角、本の紹介も読み語りも、時に先生方を泣かせてしまうことや、何かを掻き立ててしまうらしいのが、ちょっと戸惑うところです💦

2年生『おてがみ』ヒキガエルつながりの『おやゆびひめ』




毎週来る2年生は、担任の先生が必ず何か一冊読んで下さいと仰るので、今日も読むことになりました。
 
まだローベルの『おてがみ』の続きのようでしたので、ヒキガエルが出てくる『おやゆび姫』を読んでみました。
 
『オオカミと7匹の子ヤギ』は残酷すぎて、今の子供には‥。
 
『赤ずきん』でさえちょっと躊躇します。
 
『おやゆび姫』には残酷な描写はありませんのでいけるかな、と。
 
読み終えた後、『これ、ほんとのお話?』と聞かれたのが面白かったです😊

 

『すっぱりめがね』と『たべてあげる』



すっぱりめがね
藤村 賢志
教育画劇
2017-09-14


たべてあげる
ふくべ あきひろ
教育画劇
2011-12-01



 表紙が漫画で中身は文字だけの読めない本ばかり借りる小学1年生のクラスがやって来ました。

絵本の楽しさを知らないのかもしれません。

そこでこの2冊を用意して。

『すっぱりめがね』は、色々なものの断面が見えるように『すっぱり』切って見せてくれます。
ラーメン、おにぎり、お茶。
おしまいには車、家まで。
大きな断面図の小さな仕掛けを楽しみたいのですが、読み語りでも声が上がります。

『たべてあげる』はちょっぴり怖い不思議なお話。
ただ、給食でも好き嫌いをそれほど強制されない子供たちには、それほどピンとこないかもしれません。
そこで私はこの絵本、ちょっと機械的に、一本調子で読んでみました。
効果抜群。
 
余計なお世話と思いつつ、今日も「1冊読みましょうか?」と言って、結局アンコールで2冊とも読みました。
 
彼は読んでもらうと大喜びなんですけど、自分では借りないんです。

 

2学期初めの読み語り『としおくんむし』

としおくんむし
正一, ねじめ
光村教育図書
2018-03-01



小学2年生、3年生の2学期は、学校にもよりますが、詩で始まります。
 
2年生が阪田寛夫、3年生が金子みすゞ。

図書室内の詩の本の目印と場所を伝え、教科書の詩人の他の詩を紹介します。
 
中秋の名月、秋の虫の話から「つきみだんご」を半分、「としおくんむし」をフルで読みました。
 
給食前の時間、給食を全部食べていなくて失速した「としおくんむし」。
 
おなかがすきました。

化学反応か作家の意図か?『ぼくのいいとこ』

ぼくのいいとこ
スティーヴ メツガー
少年写真新聞社
2016-10-14



毎週やって来る1年生のクラスに、毎週色々な本を選んで読んできました。
今日は『ぼくのいいとこ』スティーブ・メッガー作を読んでみました。

所謂大変なクラス、ということは何となく知っていたのですが、子ども達の自己評価が低いという印象がありました。

 
作者のメッガーは元教師。
現在は絵本やホームページで子供の行動研究の見地から教育者や保護者のサポートをしています。

こちらがHPです。
http://www.parentingpress.com/

この人の『きもち』も読みましたが、特別好きになれるタイプの作家ではありませんでした。

きもち
ジャナン・ケイン
少年写真新聞社
2013-09-18

 
ところが。
 
クラスはシーンと集中して最後まで読み語りを聞いた上、先生が感想を聞くと、次々に手が上がります。

『こんなに面白いとは思わなかった』と言った男児。
 
正直、どこが面白かったのか、私には全くわかりませんでした。
 
『私のいいところで、先生をおこらせないようにしたい』と言った女児の言葉には、後で1人で涙しましたが。

 
私は読み語りを大人目線でしかない『お仕着せ』にしてしまうことに興味はありませんが、今日のこのクラスとの化学反応には、暫し呆然となりました。
学校図書館では読み語りを依頼があった場合のみ、言語活動の一環として行うものだと思っていましたので。
 
絵本を読んでもらう時間を楽しみにしている子どもが沢山いることも知っていますが、授業者はあくまでも先生です。
 
初めてついてきていた支援員の先生から、
『図書室で、このクラスはいつもこうなんですか?昨日はとにかく酷く落ち着かなかったのに』と聞かれました。
申し訳なかったのですが、『その日読んだ本にもよるのでよくわかりません』としか返事ができませんでした。
 
私にとっては本の力もさることながら、その中味を自分に引き寄せる子どもの力に、心底恐れ入っていたのです。

今日の1年生の集中は、何だったのでしょう。

絵本を読んでいた私もざっと目を通しただけで何の練習もしていませんでした。



実は先日とあるプロの表現者の方に日本語講座の録音されたものを勧めて頂き、ずっと聴いていました。 

聴きながら思ったのは、イントネーションを標準語とされる日本語に近づけ、できる限り正しく話せば、たとえ同音異語であっても言葉は耳だけで聴き分けられる、絵本の絵が見にくい場合でも意味が受け取りやすくなるのでは、ということでした。

地方に住む者独特のイントネーションをできる限り曖昧にせずに捨て去り、
ついでに意識的にお腹から声を出してみました。

子ども達がグッと集中していることも感じていましたが、私の方も読むことに集中していました。
本気で読んだ、と言っても良いかもしれません。

いつになくお行儀良く帰っていった子ども達を見ながら、こんな日もあるのかと、驚きました。

私には受け取れなかったこの本の意味を、この人達はしっかり読み取ったのでしょう。

子どもの持つポテンシャルにはとても敵わない、つくづくそう思います。
 
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はどそん

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