『いま生きているという冒険』
石川直樹

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人生は冒険。
やってみなければわかりません。



石川直樹さんをご存知でしょうか?『いま生きているという冒険』を読んだ時、あまりの衝撃にこの人は長生きしないんじゃないかと心配になり、実は時々動向をネットでチェックしている冒険家なんです。
 
『世界を見に行く。』は絵葉書としても使えるので、図書室にはどうかと思いましたが、『旅に出よう。この本といっしょに。』の帯を見てしまったら、もうダメです。
 
いつか誰かが気がついて、あの冒険家のその後の生き様を一緒に読んでくれたら、と、昨年までいた中学校の選書リストに入れてしまったのでした。

今では写真家、博士号も持った偉い人ですが、この本に綴られている人生の前半は、Wikiにさえ載っていません。
 
うろ覚えですが、彼はカヤックか何か、船で海を航海するための昔ながらの航海術を教えてもらうために、南の島の長老に弟子入りします。
 
彼の冒険には、七大陸最高峰登頂世界最年少記録を更新したとか、そういう記録よりももっと切実な『全身全霊』が感じられます。
 
身も心も全て、冒険することが生きることそのものであるかのようです。
この本を上梓した後はWikiに載っている通りなのでしょうが、あれだけの旅を続けた後で大学で学んだ、というところがまたすごいと思いました。
 
学問だって、冒険です。

石川さんのフォトブック『世界を見に行く。』 は図書室向けとは言えない『絵葉書になる本』。

 けれど時として言葉より雄弁な真実がそこにはあるのでした。